私はとある企業の人事として、様々な職場の問題に対応しています。
人間関係は職場の問題の一つで、私自身も自分の職場の人間関係で悩んだことがあります。
職場の問題を解決する部門である人事でさえ問題は発生するわけですから、人間関係は働く皆さんの悩みの種になりやすいことなのです。
この記事では、私自身の経験や様々な人間関係を見てきた人事担当の視点に基づいてその悩みにお答えします。
Contents
気が合わない同僚がいる職場は辛い
基本的に職場の人とは毎日顔を合わせるので、気が合わない同僚がいたら辛いですよね。
たとえ仕事が好きでも、面白くなくなってしまうかもしれません。
- 話していてもつまらない
- マウンティングされる
- なぜか冷たくされる
- いつも意見が食い違う
- 指図してくる
- 決めつけてくる
- プライベートに立ち入ってくる
などなど、最後の方は気が合わないという範疇を超えていますが。
とにかく職場では気が合わない人と一緒になることはよくあります。
なぜなら会社では、人間関係を自分で選ぶことができないからです。
学生なら気が合わない友人とは付き合わなければ良いだけですが、職場ではそうはいかないですよね。
ですから学生時代に人間関係で悩まなかった人は、自分で人間関係を選んでいただけなんです。
それだけに、特に学生時代人間関係で悩まなかった人は、会社で気が合わない同僚と仕事をしなければならないのは余計に辛いですよね。
ただ、あなたが「気が合わない」と思っている同僚は本当に気が合わないだけなのでしょうか?
「気が合わない」というのは、言い換えれば性格の不一致のことだと思うのですが、どうも単なる性格の不一致だけではないと思うのです。
どういうことか。具体的に説明していきます。
それってホントに「気が合わない」だけ?【ケース別対処法】
気が合わない同僚と仕事をするのは辛いという話をよく耳にしますが、気が合わないというのは単なる性格の不一致ではないと思います。
性格の不一致とは別の理由で一緒にいるのが嫌なのに「気が合わない」という抽象的な一言で片付けてしまうから、解決が難しいのではないでしょうか。
性格が合わない
まずは言葉通り、単なる性格の不一致のケース。
これが本当の「気が合わない」ということですね。
この場合、一緒に仕事をすると意見がぶつかり合ってしまい仕事が自分の思うように前に進まないことに困りますよね。
ただし、気が合わないとしてもその同僚は邪魔したいのではなく、あなたと同様に良い仕事をするために意見しているだけなのです。
こういったケースでは、建設的な議論になるようにすれば良いのです。
具体的には、仕事の目的を再確認して、どちらの意見なら目的を達成できるのか、それかお互いの意見の良いところをとるべきか話し合えば良いと思います。
うまくいけばお互いが持たない視点で検討することができますので、むしろ気が合う者同士よりも優れたアウトプットを出すことができるかもしれません。
仕事の出来・進め方に不満がある
あなたは気が合わないと思っているかもしれませんが、実はあなたの仕事の出来や進め方に不満があるのかもしれません。
例えば、あなたが相手より先輩の場合に、言いたいことがあっても後輩からしたらあなたは先輩なのでハッキリ言うことができず、態度で気持ちを表しているということは考えられないでしょうか?
この場合は相手の気持ちを聞いて改善する努力をしましょう。
ここで重要なのは相手の話を聞くことです。
なぜなら、相手が何を求めているか分からなければどのように改善すれば良いかわかりませんし、話を聞く姿勢を示すことが人間関係の改善に繋がるからです。
オススメは「1on1ミーティング」です。
基本的に上司が部下にするものですが、同僚同士でも応用できます。
1on1とは、あえて時間をとって個室で話し、本音を言いやすい状況を作る対話手法です。
この時のコツは、とにかく聴くことに徹すること。
少し気に触ることがあっても、相手との関係性を良くするための種だと思って言い返さずじっくりと聴きましょう。
ただ一回ではなかなか本音を言ってくれないこともあるので、最初から定期的なミーティングとして始めるということにして、何度も繰り返しましょう。
そうすれば徐々に本音を言ってくれるようになりますよ。
最初は嫌だと思いますが、相手が求めているのは仕事の改善なのであなたの姿勢によって相手の見方を変えることができます。
詳しい1on1ミーティングの方法を知りたい方は、以下の書籍がオススメです。
ただの嫌がらせ
いるんですよね。性格が合わないわけでもなく、こちらが何かしたわけでもないのに嫌がらせで無視や冷たくしたり。
そんな困ったケースはどうしたら良いのでしょうか。
これはもう異動希望しかありません。
相手を異動させるように仕向けるのは、相手からの仕返しがあるので危険です。
また、相手に立ち向かうのも一つの手段ですが、圧倒的に打ち負かさない限りはエスカレートするだけです。
それと、上司に相談して嫌がらせをやめさせてもらおうとしても相手からすれば「上司にチクりやがって…」という感じでエスカレートします。これがいじめっ子の心理なのです。
残念ながら今の会社に残ってその後も平和に過ごそうと思ったら、自分が異動するのが一番です。
相手によって自分のキャリアを壊されたと思うなら、転職もありだと思います。
今は売り手市場の世の中ですし、本サイトや書籍からもノウハウが簡単に手に入ります。
ですから決して転職は難しいものではありません。
▶ 【内定獲得は準備次第】採用担当が教える転職ノウハウ【全過程を説明】
相手の性格が気に入らない
あなたが相手のことを気に入らない場合です。
性格の不一致とはちょっと違って、色々な言動が気になる人っていますよね。
例えばプライベートにズケズケ入ってくる人だったり、「あなたはこうだからこうした方が良いよね」と決めつけて指図してきたり。
このような人との付き合い方は、付き合わないことです。
「急に距離を置いたら相手にどう思われるか不安」という方がいるかもしれませんが、問題ありません。
こういった人は何も考えていませんから。だから相手の嫌なことを平気で言えるんです。
あなたが距離を置いたら別の人をターゲットにするだけなのです。
人間関係が辛くて体調不良になる前に
人事の仕事をしていると人間関係によってメンタル不調に陥ってしまう人をたくさん見ます。
会社も良い組織を目指す必要はありますが、体調不良になる前に組織を見切ることも必要です。
なぜなら一度メンタル不調に陥ると、再発の可能性が高まりますし、何より社外に活路を見出そうとしても転職先が見つからなくなってしまいます。
このような状況にならないためにも、いつでも転職できる準備、つまり転職活動をしておくべきです。
転職活動のススメ
「転職」と聞くとハードルが高く感じますよね。気持ちは分かります。
ですが私がオススメするのは、転職ではなく転職”活動”です。
ここで言う転職”活動”とは、転職エージェントや求人サイトに登録して、企業の中途採用に応募して選考を受けることを言います。
ここで重要なのは、転職活動をしてみた結果、今の会社を辞めないという選択もアリということ。
ですからあえて転職”活動”と言うわけです。
転職活動は人生の選択肢を増やすこと
私がオススメする転職に関する2つの書籍があるのですが、それぞれの著書に共通して「今の会社以外の選択肢を作っておくことの重要性」が書かれています。
それぞれの著者は次のように主張しています。
①転職の思考法(北野唯我、2018)
すべての人が「いつでも転職できる状態」をつくりたいと本気で願っています。なぜなら、すべての働く人がいつでも転職できるだけの「市場価値」を持てたとしたら、あなたの生き方すらも変わる可能性があるからです。
②転職を考えない人が読む「転職」の本(牧野直哉・沢渡あまね、2013)
転職、特に終身雇用制度を持つ日本企業にお勤めの方にとって転職とは、自分の人生の進むべき道の決定権を、自分に取り戻す意味を持ち(略)
転職活動を考える人がまずやること【スマホで完了します】
実際には転職しない転職活動とはいえ、初めての方は何をすれば良いか分からないのでためらってしまうかもしれません。
でも今は人材紹介会社のサービスが充実していて転職活動を始めやすい環境となっているんです。
具体的な方法は下記の通り。
- 自分の市場価値をはかる
- 自分の強みを知る
- オファーを待つ
①の市場価値とは、自社以外にどれだけの会社が自分のスキルや経験をいくらで欲しがっているかということ。
ミイダスというサービスで、簡単に自分の市場価値をはかることができます。
②はそのまんまですが、自分の性格的な強みを転職グッドポイント診断というサービスで言語化することができます。
そして①②で紹介したサービスで市場価値や強みを診断すると、同時にあなたのスキルや経験を求めている求人のオファーを受けたり、あなたの強みにマッチする求人を紹介してもらうことができます。
時間は2つ合わせて長くて30分程、どちらも無料です。特にミイダスは登録不要なので最初に試してみることをオススメします。
もっと詳しく知りたい方は次の記事をどうぞ。
転職すると決めているなら
既に「転職する」と決めている方は、本サイトでは採用担当の私が採用担当視点でまとめた転職ノウハウを発信しています。
そのノウハウをチラ見せすると、転職活動を成功させるために重要なのは「求人への応募前」にやっておくべき2つのことです。
- 信頼できる転職エージェントの”担当者”を見つけること
- 求人を徹底的に調べること
もっと知りたいと思ったら、詳細は次の記事をご覧ください。
▶ 【内定獲得は準備次第】採用担当が教える転職ノウハウ【全過程を説明】
狙い目はフルリモートワークの会社
最後に、新たな会社での人間関係が不安なら、フルリモートワークの会社もあります。
基本的にやりとりはインターネット上で、オフィスへの出社がほとんどない会社があるんです。
私が知る会社では、代表は東京にいるのですが、社員が九州や中国地方、北関東に住んでいると聞きました。
在宅で仕事ができるので満員電車もなく通勤時間ゼロというのが魅力とのことで、確かになぁと思いました。
ただ、あくまで場所を選ばないだけで、就業時間はしっかり仕事をする必要がありますので、そこは在宅ワークと勘違いしないでください。
気になる方は、求人サイトや転職エージェントに登録したらリモートワークの求人がないか聞いてみましょう。
今回の記事は以上です。
気が合わない同僚への対処法と、人間関係の悪化と体調不良への備えについて説明しました。
本サイトが皆さんの悩み解決の役に立てれば幸いです。