人間関係が辛いという悩みは誰に聞いても共感してもらえることですよね。だからこそ「みんな悩んでいるのに自分だけ異動させてもらうのは悪い」という気持ちになるのでしょう。
でも実は、人間関係を理由とした異動はそれほど珍しいことではありません。
私は人事の仕事をしているのですが、そういったケースは何件も見てきました。
この記事では人事の経験を基に、下記について紹介します。
- 人間関係が嫌で異動しても良いのか
- 誰に相談すれば良いのか
- 異動が叶わない場合にどうすれば良いのか
Contents
人間関係が嫌で異動願いを出すのは全く問題ない
人間関係で悩んだ時の対処法が本やネットで紹介されていますが、試しても改善せずどうしようもないことってありますよね。
アドバイスの中には、人間関係が嫌で辛い人は転職すべきというものもありますが、それは最後の手段です。
異動願いを出しても良い
人事担当として言いたいのは、まずは異動願いを出すべき。ということです。
なぜなら、職場の人間関係を良くすることは会社運営上やらなければならないことの一つだからです。
特別な事情があれば別ですが、人間関係が悪い状態を無視する会社はパフォーマンスが落ちて業績も悪くなります。
ですから部長や課長などのマネージャーや人事部門は、人間関係が悪化している状況があれば最終的には当事者同士を離す必要があるのです。
異動願いの理由はどうすればよい?
異動願いを出すときに理由を説明しなければなりませんが、人間関係の悩みということを言って良いのか迷うと思います。
この場合ストレートに「人間関係で悩んでいるから」と言ってOKです。
本当のことを言わないと、説明中に矛盾が出てしまって希望が叶わなくなるかもしれません。
また、人間関係が理由と言っておけば、異動が叶わなくても(時間がかかるとしても)何らかの配慮をしてもらえる可能性もあります。
人間関係が嫌で異動願いを出すのは甘えじゃない
人はそれぞれ性格が違うので、すれ違いが起こるのは仕方ないことです。
だから人間関係に悩む人は多く、どこの職場にもいるんですね。
また、それと同様、人間関係が嫌で異動願い出すのは甘えと言う人もいれば、甘えではないという人もいます。
ストレスに耐えられる人と耐えられない人がいるのは当たり前です。
社員全員に、人間関係の悩みがない人の価値観を押し付けて、悩んでいる人のモチベーションやパフォーマンスが下がってしまったら会社業績は確実に悪くなります。
それに、人口減少社会においては採用が難しく人を増やすのは時間がかかりますから、悪い人間関係を放置したことで退職者が出てしまうことは会社にとっても痛手です。
それを「甘え」という一言で片付ける上司や人事がいるとしたら、人材マネジメントや組織づくりから逃げて社員に負担をかけているわけですから、それこそ上司の甘えではないでしょうか?
新入社員でも人間関係を理由に異動願いを出してもOK?
新入社員というまだ入社間もない時期に人間関係を理由に異動願いを出したいと思っても、「まだ我慢しろ」という声が聞こえてきそうですよね。
ですが、新入社員こそ職場になじむことができず、人間関係に悩みやすい時期ですから、新入社員であっても異動願いを出してもOKです。
むしろ、新入社員の時期に人間関係に悩んで本来覚えるべき仕事が身に付かないようなことは避けるべきです。
ですから、新入社員の方々も遠慮せずに相談しましょう。
上司との人間関係が嫌な場合は?
異動希望があるときに、基本的に異動願いを出す相手は上司です。
では、上司との人間関係が嫌で異動願いを出したい場合には困ってしまいますね。
この場合、ストレートに上司に向かって異動願いを出しても、聞いてもらえないばかりか状況が悪化する可能性があります。
改善する可能性もわずかにありますが、最悪の事態は想定しておいた方が良いです。
上司との人間関係に悩んだ時に自分でできること
下記の通りです。
- 同じ職場の人に相談する
- 上司の上司に相談する
- 人事に相談する
それぞれ説明していきます。
同じ職場の人に相談する
まずは同じ職場の人に相談してみましょう。
解決できなくても悩みを共有するだけでストレスは軽減できますし、困っているときに助けてくれる人が出てくるかもしれません。
私自身が入社したての頃、年の近い先輩が厳しくて辛かった時に、ニ回り以上歳上のベテランの方に話を聞いてもらったことがあります。
その時言われたのは「たしかに彼は厳しいけど理不尽なことは絶対しないし、2〜3年言うことを聞いていれば必ず成長する」というアドバイスをもらいました。
その期間辛かったのは間違いないですが、おかげで乗り切ることができました。
人間関係で悩んだ時は、一人で悩むのはストレスを抱え込むことになり危険です。
職場で信頼できる人がいたら、積極的に相談するようにしましょう。
上司の上司に相談する
上司と合わない場合、更に上の上司に相談するのもオススメです。
例えば、課長との折り合いが悪い場合、部長に話を聞いてもらうといった具合です。
さすがの課長も、部長から指導や注意を受けたら改善せざるを得ません。
ただ、課長の性格が悪く、どうしようもない人である場合には陰湿な嫌がらせに走る可能性があります。
「俺に恥かかせやがって!」という感じですね。
上司の上司にバレないように何かしてくるかもしれませんので、されたことを記録を残しておきましょう。
人事に相談する
同僚にも上司の上司にも相談できない、または相談してもダメなら、人事に相談するのも一つです。
本当に悩んでいるのであれば、人事があなたの上司にヒアリングすることもあります。
なぜなら人事部門は安全衛生法の関係でメンタル不調者数を記録しており、メンタルなどで長期間休む人を少なくする必要があるからです。
会社としては、ブラック企業などという悪評が広まることは避けたいところですから。
ただ、人事部門の力が発揮されている会社なら解決に向かいますが、人事の力が及ばない会社では状況は変わらないでしょう。
職場の人に相談する前にやっておくべきこと
職場の人へ相談して異動が叶えば文句なしですが、残念ながら逆効果になることもあるとお伝えしました。
ですから自分の身を守るために、相談する前にやっておくべきことがあります。
それは転職活動です。
「転職」と聞くとハードルが高く感じますよね。気持ちは分かります。
ですが私がオススメするのは、転職ではなく転職”活動”です。
ここで言う転職”活動”とは、転職エージェントや求人サイトに登録して、企業の中途採用に応募して選考を受けることを言います。
ここで重要なのは、転職活動をしてみた結果、今の会社を辞めないという選択もアリということ。
今、日本では労働人口減少により企業は人材不足に陥っています。つまり企業の採用意欲も高く、転職のチャンスが到来しているということです。
私の勤務先でもそうですが、中途採用では学歴や職歴を問わず選考しています。だから学歴フィルターに引っかかって新卒では選考を受けることすらできなかった企業に入ることもできます。
ただし、ライバルが多いことも事実。
中途採用はひとつの求人で大量に採用するものではないので、希望の職種で内定を取るにはスピードが求められます。
効率よく転職活動を進めるには、常に情報を持っておいて、タイミングよく求人に応募することが重要です。
そこで、転職エージェントに登録しておくことによって求人情報をタイムリーに手に入れることができます。
転職エージェントを利用する最大の理由は上記の通り「情報収集」ですが、他にも利用するメリットはたくさんあります。
- 個人では知ることのできない、エージェントが企業から直接聞いた情報をもらえる
- 応募者の希望だけでなくキャリア相談の結果に基づいて求人を紹介してもらえる(中には国家資格キャリアコンサルタントの保有者もいる)
- 転職サイトからは応募できない非公開求人に応募できる
- 経歴書作成や面接対策などの選考に関するアドバイスをもらえる
- これだけのメリットがあるにも関わらず、最初から最後まで全て無料で利用できる
転職せざるを得ない状況になった時、エージェントと関係を築けていないと希望しない求人を紹介されたり、スタートダッシュができずにライバルに遅れをとってしまいます。
登録には5分もかかりません。今すぐ転職を考えていなくても、いざという時に備えておきましょう。
現役人事がオススメする転職エージェント
ここで、現役人事の私が中途採用担当の視点でオススメできる転職エージェントを紹介します。
まず全ての方にオススメなのが、マイナビエージェントです。一般的な転職サポートに加えて以下の強みがあります。
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- 新卒採用事業やそれぞれの専門職種に特化した人材紹介サービスの展開によって幅広い業界に強みがある。(中途採用担当として取引している感覚では特に営業など文系に強い印象)
登録は、以下の公式サイトからできます。
また、私はメーカーで人事を担当しているのですが、製造業への転職を希望する理系・技術系・エンジニアの方にはメイテックネクストが圧倒的にオススメです。
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- 技術派遣事業で培った製造業界についての詳しい知識を持つため、製造業界各企業からの信頼も厚い。
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以下の公式サイトから登録できます。
転職に成功できるかどうかはエージェント選びによって左右されるといっても過言ではありません。
そして、新たな求人が出たらタイムリーに応募するのが最も合格可能性が高く、ライバルも少ないです。
ご存知の通り、転職エージェントの利用は無料ですし登録にも時間はかかりません。転職エージェントに希望を伝えておいて、求人が出た瞬間に情報提供してもらえるように今すぐ登録しておきましょう!