現役メーカー人事のハルダです。
私はとある企業の人事として、様々な職場の問題に対応しています。
職場の雰囲気は、そこで働く人たちのモチベーションや能力の発揮に影響します。
ですから、職場の雰囲気作りには意識して取り組む必要があると思います。
この記事では、私自身の経験や様々な人間関係を見てきた人事担当の視点に基づいてその悩みにお答えします。
Contents
職場の雰囲気はどうにもならないもの?
先日、下記のツイートをしました。
言いたいことを言える機会を作るときには何でも言い合うのではなく、
・仕事で成果を出すために、相手に望むこと
これに絞った方が良い。
相手の性格面や言動を仕事と紐付けないで指摘しても関係性は悪化するだけです。
— ハルダさん@現役メーカー人事 (@haru_dadd) June 13, 2019
本記事ではこのツイートを深掘りしながら、職場の雰囲気作りに効果的な方法を紹介します。
職場の雰囲気は目に見えないものなのでどうしようもないと思うかもしれませんが、近年、改善の手法が取り上げられています。
職場の雰囲気を良くするためには飲み会を開いたら良い?
職場の雰囲気を良くしようとして、急に飲み会を開いたり、社員旅行をしたりする会社がありますが、残念ながら効果はありません。
経験者は分かると思いますが、その時は皆楽しそうなフリをしますので企画者は満足。でも仕事になったら雰囲気は元通り。というわけでお金と時間がかかるだけです。
なぜそうなってしまうのかというと、職場の雰囲気を改善するための本質を意識していないからです。
職場の雰囲気を改善するための本質とは
結論から言えば、
言いにくいことを言える機会を作ること。
たしかに飲み会などでコミュニケーションの機会を増やすのは半分正解ですが、言いたいことを言えなければ効果は半減します。
なぜなら雰囲気が悪くなる元凶は、各々のストレスだからです。
職場で働く人それぞれに小さな不満が出てくると、皆はじめは我慢します。
でも人間はそんなに強くないのでどこかで発散しなければなりません。
その発散方法が飲み会で愚痴ったり、どこかで陰口を言ったり。言いたい相手がいないところで仲の良い相手だけに言うようになります。
そうなると余計に仲の良い人だけとコミュニケーションをとるようになります。
他にも言いにくいことを言わない代わりに生返事や無視など態度で示す人もいるでしょう。
そういった態度をとられた側もなぜかよく分からず反発してしまい、さらに関係が悪化することもあります。
このように、皆大人だからこそ言いたいことを言えず、逆にその言えない状況が関係を悪化させていくのです。
ですから職場の雰囲気を良くするためには、ただコミュニケーションの機会を増やすのでは足りないのです。
職場は仕事の成果を出す場所
ただ勘違いしないでほしいのは、決して言いたいことを言いたい放題言うのではありません。
職場の雰囲気を良くする目的は、別にみんなで仲良くするためではありません。
職場はあくまで仕事の成果を出す場所です。
なので、言いにくいことを言える機会を作るときには、
仕事で成果を出すために相手に望むこと
これに絞るべきです。
例えば、あの人の話し方が気に入らないとか、もっとオシャレした方が良いというようなことは言っても仕方ありません。
むしろ人間関係に溝を作ってしまいますよね。
職場の雰囲気作りは、建設的なコミュニケーションを取り合おうとする意識づくりなのです。
良い雰囲気を作るための手法
仕事の成果を出す目的に絞り、言いにくいことを建設的に言える機会を作る。
これが職場の雰囲気を良くするための本質と言いましたが、日本人は和を尊しとしますから言いにくいことを上手く伝えることに慣れていませんので、いざやろうとすると難しさを感じるはずです。
ですが最近では、言いにくいことを言うために確立された手法がありますので紹介します。
個人対個人の手法:1on1ミーティング
1on1ミーティングはその名の通り、1対1で話す機会を設けることです。
ポイントは敢えて定期的に時間をとって、2人しかいない空間で相手の話を聴くのに徹することです。
頻度を高めてひたすら聴く側となることで、相手から本音を引き出すことができます。
例えばあなたが上司から「さぁ、言いたいことは何でも言いなさい」と言われても何か裏があるとか言っても無駄と思われて本音を引き出すことはできません。
ですからまずは信頼感を高めるのがこの1on1ミーティングです。
詳しく知りたい方はヤフーの1on1という書籍が、事例も多く、導入時の苦労も知ることができるのでオススメです。
グループの手法:AI(Appreciative Inquiry)
次にAIという手法ですが、人工知能のことではなく、Appreciative Inquiryというグループワークの手法のことです。
上手い日本語訳がないようですが、一応「真価を見つける問い」と訳されています。
理想の職場に向けて、今できていることやできそうなことはないか、ポジティブな面に目を向けて話し合いをするというものです。
今できていること、できそうなことを伸ばすためのアクションをグループ全員で考えて実行することで、前向きな気持ちで取り組めます。
ポイントは、アイデアを否定せず、今の職場の状態になった原因を探るのとは禁止ということです。
原因を探ると誰が悪いという負のスパイラルに陥ってしまうからです。
日本人は原因究明に慣れてしまっているため馴染みがない考え方だと思いますが、このAIを研究テーマとしている学者もいるくらいですから試す価値ありです。
AIに関しては以下の書籍がオススメです。
チャレンジしてもダメなら逃げても良い
以上、職場の雰囲気を良くする手法を紹介しましたが、実は最悪の人間関係には効果的ではありません。
なぜなら、今回紹介した手法は少なくともコミュニケーションをとることが前提となっているので、完全に心を閉ざした状態の人同士が試しても意味がないからです。
そのため、これから職場の雰囲気を良くしたいと思ってこの記事を読まれている方は、まず職場の人間関係の状態がどれくらい悪化しているのかをチェックするところから始めましょう。
そして、もし人間関係の修復が無理だと感じたらその職場から離れることも考えるべきです。
正直言って、人間関係が悪い職場では何も良いことはありません。
コミュケーションが途絶えると、情報共有も指導もないため当然成果が出にくくなりますし、お互い足の引っ張り合いになったりします。
人間関係が良ければ、というか普通ならないストレスを感じることになって消耗します。
そんな時間を過ごすくらいならまずは異動願いを出しましょう。
私は、人間関係が嫌で異動願いを出すのは大いに賛成です。
それでダメなら、いつでも転職できる準備、つまり転職活動をしておくべきです。
転職活動のススメ
「転職」と聞くとハードルが高く感じますよね。気持ちは分かります。
ですが私がオススメするのは、転職ではなく転職”活動”です。
ここで言う転職”活動”とは、転職エージェントや求人サイトに登録して、企業の中途採用に応募して選考を受けることを言います。
ここで重要なのは、転職活動をしてみた結果、今の会社を辞めないという選択もアリということ。
ですからあえて転職”活動”と言うわけです。
転職活動は人生の選択肢を増やすこと
私がオススメする転職に関する2つの書籍があるのですが、それぞれの著書に共通して「今の会社以外の選択肢を作っておくことの重要性」が書かれています。
それぞれの著者は次のように主張しています。
①転職の思考法(北野唯我、2018)
すべての人が「いつでも転職できる状態」をつくりたいと本気で願っています。なぜなら、すべての働く人がいつでも転職できるだけの「市場価値」を持てたとしたら、あなたの生き方すらも変わる可能性があるからです。
②転職を考えない人が読む「転職」の本(牧野直哉・沢渡あまね、2013)
転職、特に終身雇用制度を持つ日本企業にお勤めの方にとって転職とは、自分の人生の進むべき道の決定権を、自分に取り戻す意味を持ち(略)
転職活動を考える人がまずやること【スマホで完了します】
実際には転職しない転職活動とはいえ、初めての方は何をすれば良いか分からないのでためらってしまうかもしれません。
でも今は人材紹介会社のサービスが充実していて転職活動を始めやすい環境となっているんです。
具体的な方法は下記の通り。
- 自分の市場価値をはかる
- 自分の強みを知る
- オファーを待つ
①の市場価値とは、自社以外にどれだけの会社が自分のスキルや経験をいくらで欲しがっているかということ。
ミイダスというサービスで、簡単に自分の市場価値をはかることができます。
②はそのまんまですが、自分の性格的な強みを転職グッドポイント診断というサービスで言語化することができます。
そして①②で紹介したサービスで市場価値や強みを診断すると、同時にあなたのスキルや経験を求めている求人のオファーを受けたり、あなたの強みにマッチする求人を紹介してもらうことができます。
時間は2つ合わせて長くて30分程、どちらも無料です。特にミイダスは登録不要なので最初に試してみることをオススメします。
もっと詳しく知りたい方は次の記事をどうぞ。
転職すると決めているなら
既に「転職する」と決めている方は、本サイトでは採用担当の私が採用担当視点でまとめた転職ノウハウを発信しています。
そのノウハウをチラ見せすると、転職活動を成功させるために重要なのは「求人への応募前」にやっておくべき2つのことです。
- 信頼できる転職エージェントの”担当者”を見つけること
- 求人を徹底的に調べること
もっと知りたいと思ったら、詳細は次の記事をご覧ください。
狙い目はフルリモートワークの会社
最後に、新たな会社での人間関係が不安なら、フルリモートワークの会社もあります。
基本的にやりとりはインターネット上で、オフィスへの出社がほとんどない会社があるんです。
私が知る会社では、代表は東京にいるのですが、社員が九州や中国地方、北関東に住んでいると聞きました。
在宅で仕事ができるので満員電車もなく通勤時間ゼロというのが魅力とのことで、確かになぁと思いました。
ただ、あくまで場所を選ばないだけで、就業時間はしっかり仕事をする必要がありますので、そこは在宅ワークと勘違いしないでください。
気になる方は、求人サイトや転職エージェントに登録したらリモートワークの求人がないか聞いてみましょう。
今回の記事は以上です。
職場の雰囲気作りに効果的な方法を紹介いたしました。
本サイトが皆さんの悩み解決の役に立てれば幸いです。