転職全般

【転職】内定先への入社を決める前に確認すべきチェックリスト【比較用フォーマット付】

やっと掴んだ内定。

でも本当に、この会社に入社を決めて良いのか?

そんな迷いが生じることがあるでしょう。

特に複数内定が出た場合、予め優先順位を付けておかないと間違いなく悩むことになります。

嬉しい悲鳴かもしれませんが、入社する会社は1社しか選べませんし、一度入社して合わないと思っても選び直すことはできません。

検討期間は長くても1週間程度。会社によっては「週明けには回答してください」と言われることもありますので、悩む時間はほとんどありません。

しかも誰かに相談したくても転職するなんて職場の人には言えないし、転職経験者を探して相談するのも時間がかかります。

そこで、中途採用担当の私が転職先選びの際に確認すべきポイントをチェックリストとしてまとめました。

中途採用担当として、多くの転職者から聞いた転職先選びのポイントを基に作成しましたので、是非使ってみてください。

ちなみに、面接で「何か質問は?」と聞かれて困ってしまう人もこのリストから質問すれば質問が尽きることはありません。

人事がコーチングで目標達成やお悩み解決を支援します 経験10年の現役人事がコーチングでキャリア相談に乗ります!

内定先に入社を決める前に確認すべきチェックリスト

詳細を知りたい方は各項目をクリックすると解説文までジャンプします。

人事担当者の経験に基づく個人的な意見も含めて解説しています。

もちろん全項目をチェックせよというわけではなく(会社によっては確認できない項目もあります)、自分の中で重要だと思う項目に優先順位を付けて確認してください。

記事の最後には比較用チェックリスト(Excel)付きです。

解説

以下、各項目の解説です。

経営理念・ミッション

経営理念やミッションは会社の方針を示したもので、それに従い仕事をすることになります。ですから理念・ミッションに共感できなければ、仕事へのモチベーションが維持できない可能性があります。特に規模の小さな会社は事業内容や業務上の判断などに直接影響しますのでしっかり確認しましょう。

▲チェックリストに戻る

財務基盤

理念や事業に魅力を感じていても、財務基盤が脆弱だと常に不安を抱えながら仕事をしなければならず、給料も上がりにくくなります。そして、やりたいことがあっても予算確保に苦労して実行できないかもしれません。せっかく転職したのに倒産の危機でまた転職するハメになってしまうことのないよう、必ず公開されていますので決算書は確認しておきましょう。

▲チェックリストに戻る

事業内容・商品・サービス

事業や商品・サービスに魅力を感じなかったり誇りを持てなければ、当然モチベーションは上がりません。特に営業部門などの客先の前面に出るポジションの場合、自分が買いたくないものを売らなければならないということになりかねません。ですからどんなモノやサービスを提供してどんな価値を生み出しているのか確認しましょう。

▲チェックリストに戻る

業務内容

業務内容は必ず具体的に確認しましょう。例えば、営業と一言で言っても戦略を練るような企画系から見積書を作るような作業系の仕事まで幅広いです。これはどの職種にも言えることなので、必ず確認してください。社員から業務の魅力を聞くことがあるかもしれませんが、その人の感覚によりますので最後は自分で判断しましょう。

▲チェックリストに戻る

基準賃金

基準賃金は給料のベースであることはもちろん、割増賃金(残業代や休日出勤手当)の算定基礎となりますので基準賃金が低いと年収への影響も大きくなります。例えば、同じ月収でも基準賃金だけで20万円のAさんと基準賃金+家族手当で20万円のBさんとではAさんの方が残業代が高くなるというわけです。
特に月額賃金(月収)は、生活基盤を支えるものですし、ボーナスのように大きく変動することはありませんので重視しましょう。

▲チェックリストに戻る

ボーナス

ボーナスは支給時点での会社業績に応じて支給されるものなので、最新の支給実績だけを見て判断しないようにしましょう。また、ボーナスは変動が大きいので、年収のうちボーナスの割合が高いことにも注意が必要です。

▲チェックリストに戻る

諸手当

会社によって大きく違うのが諸手当です。例えば代表的ものとして家族手当、通勤手当、住宅手当があります。手当があればあるほど嬉しいものですが、月額賃金のうち手当の割合が高い場合は注意してください。手当を廃止するのは基準賃金を下げるより比較的起こり得る話だからです。(月額賃金の総額が変わらなくても、全員対象の手当を廃止して業績評価による部分を増やすなど)

▲チェックリストに戻る

昇進・昇格制度

昇進・昇格制度は将来の給料の伸びに影響します。そもそも完全に年功序列の制度であれば自分の努力だけでは昇進できないため、従業員のモチベーションは低く会社全体の業績にかかわります。結果として給料が上がらない、といった悪循環にもなりかねません。

▲チェックリストに戻る

評価制度

評価制度がオープンになっているのであれば確認しましょう。給料にどれだけのインパクトがあるのか、運用は年功的なのか実力的なのか、評価制度は自分に合う会社かどうか見極める良い材料となりますので可能であれば聞き出しましょう。

▲チェックリストに戻る

ジョブローテーション

ローテーションが多いか少ないか、また異動希望を出せる制度の有無、中途採用者はローテーションの対象かどうかを確認しましょう。ローテーションは個人のためと思われがちですが、実施することで業務の標準化・共有化ができたり、他の組織の視点を入れることができたりと組織へのメリットが多数あります。ですからローテーションが盛んな方が組織は元気です。

▲チェックリストに戻る

社会保険

法定福利制度として当然完備されているものなので「社保完備」などとわざわざ求人票に書くような会社は少し注意が必要です。

▲チェックリストに戻る

試用期間

中途採用には数ヶ月の試用期間が定められていることが多く、正規従業員に切り替わるまで若干制度が異なります。特に多いのが有給休暇が与えられないということです。ですから試用期間に休んでしまうと欠勤となり、休んだ分給料が出ないことになります。試用期間は3ヶ月と定められている会社が多いですが、6ヶ月間の会社が多い地域もあるようです。

▲チェックリストに戻る

労働組合

スタートアップや規模が小さな会社にはありませんが、労働組合は労働環境や賃金改善など処遇を良くするための組織です。会社によっては会社と労組の関係がややこしかったり、労組が複数存在する会社もあります。個人的には会社と労組の関係が良好な協調路線の会社が望ましいと思います。

▲チェックリストに戻る

残業(時間外・休日出勤)

残業は人によってはある程度したい人、全くしたくない人がいると思いますが、会社全体の平均時間だけを見て判断せず、配属予定部門の時間を確認しましょう。その際、平均時間だけでなく、1ヶ月で最も残業の多かった人の最高時間も聞いてみましょう。
またどんな時に忙しくなるのかといった残業時間が増える主な原因・背景を聞くのも重要です。例えばトラブルが発生したら長時間残業になりがちなのと、新規開発案件が出たら長時間残業になりがちなのとはどちらがあなたにとって頑張れますか?
あとは、36協定を確認しておくのもオススメです。1ヶ月の基本協定と最高限度時間を聞くことで、少なくとも法律に対する意識があるかが分かります。

▲チェックリストに戻る

定年制度

今後、一つの会社に勤め上げるケースは少なくなっていくかもしれませんが、できるだけ同じ会社で働きたいという人は定年の年齢を聞いておきましょう。今は65歳まで雇用する義務があるので、65歳定年の会社が多いと思います。

▲チェックリストに戻る

退職金

退職金が出るとして、どのように金額が決まっているのか確認してみましょう。大手企業では長く働くほど退職金は増えていくような制度設計になっていることがほとんどで、勤め上げれば2000万円というレベルも珍しくありません。

▲チェックリストに戻る

勤務地

今は勤務地にこだわりがない方も、10年後、20年後はどうかと長期的な視点で考えてみてください。特に、親の介護のために地元に帰る必要があって退職せざるを得ない人もいます。そういった退職を避けるための制度が充実してきている会社もありますが、決して多くはありません。また、住んでみたら意外と良かった/悪かったということがありますので、勤務地となる地域のことは詳しく調べておくことをオススメします。

▲チェックリストに戻る

転勤の有無・頻度

特に居住地の変更を伴う転勤は大きな環境変化がありますので、転勤の有無や頻度はよく確認しておきましょう。家族がいるなら影響は奥さんや子供にも及ぶので話し合っておくべきです。

▲チェックリストに戻る

福利厚生

各種手当はもちろん、寮・社宅、生命保険や自動車保険の割引、保養所など…歴史のある大手企業はこのような会社独自の福利厚生が充実していることが多いです。こうした福利厚生は家族に喜ばれることが多く、それがモチベーションに繋がることもあります。

▲チェックリストに戻る

多様な働き方

フレックスや時短勤務、最近ではリモートワークなどそれぞれの生活スタイルやプライベートな事情に合わせて柔軟な働き方ができる会社が増えています。子育てのための時短勤務というのはよく聞きますが、都内の満員電車を避けるために出社時刻を遅らせたり、そもそも出社しない選択肢を取れる会社が出てくるなど、従業員の生産性を高める戦略としても働き方は一つではないことを知っておきましょう。

▲チェックリストに戻る

ダイバーシティ

日本企業への転職を希望する場合、ダイバーシティの取組状況を確認することをオススメします。これまでのように「障がいを持たない日本人男性のみ」を雇う企業は、今後さらに加速する人口減少という環境変化に適応することができません。これは人員不足に陥るだけでなく、そういった環境変化を認識できていないか、認識できていても変化に対応できないということなので、人員補充しても長く生き残ることが難しくなるでしょう。

▲チェックリストに戻る

職場環境

快適なオフィス、高性能なPCなどの設備面、またしっかり安全衛生対策が取られているか、職場環境の整備に投資することは結果として人材への投資と同じことです。採用や教育だけが人への投資と思う方もいると思いますが、従業員がモチベーション高く、パフォーマンスを発揮できる環境を整えることも人への投資であると認識しましょう。

▲チェックリストに戻る

通勤手段・時間

通勤手段と時間は確認しておきましょう。通勤経路や通勤手段が決められていることが多いので、自分が思ったような時間と手段で通勤できない可能性があるからです。電車通勤の場合には満員電車にならないかどうかも重要です。特に首都圏で働いたことのない人は朝の通勤ラッシュは想像よりもシンドイので注意が必要です。

▲チェックリストに戻る

求める人材像

会社としてどんな人を性格・マインド・経験を・スキルを持つ人を求めているのかは必ず確認してください。そして、自分が求める人材像と異なることがわかっても落ち込む必要はありません。転職は合う合わないが重要なので、合わないと思ったら入社しないという選択もありです。

▲チェックリストに戻る

活躍している人(経歴・性格面)

「求める人材像」の項目と関連して、求める人材像と実際に働く人が乖離している場合があります。そのため活躍している人が前職でどんな経験をしてきたのか、どのような性格なのか、内定先の採用担当者で良いので聞いてみてください。

▲チェックリストに戻る

人の魅力

入社前にどれだけの社員と接することができるか分かりませんが、どうしても迷うときは、最後に自分の直感で、接した人の魅力を信じて入社を決めるのも一つの方法です。

▲チェックリストに戻る

比較用フォーマット

上記のチェックリストを使って複数社比較できるよう表にしました。

横軸に社名を書くようになっていますので列を追加して使用ください。

ダウンロード(Excelファイル)

使い方

比較用フォーマットの使い方は下記の通りです。

  1. 列(A,B,C…)に会社名を入力する
  2. チェック項目を自分にとっての優先順位に並び替える
  3. 特に重要な項目を3項目(※)選び、2倍の重み付けをする
  4. 各項目で確認できたことを記入し、5段階で評価する
  5. 点数を合計する

※ビジネスフレームワークの「意思決定マトリクス」を参考にしました。

おわりに

本ブログでは、他にも転職に役立つツールとして、信頼できる転職エージェントかどうかチェックするためのリストを掲載していますので、まだ転職活動を続けるという方は是非使ってみてください。

転職エージェント信頼度チェックリスト【採用担当が作成】現役メーカー人事のハルダ(@haru_dadd)です! 現在、転職市場は労働人口の減少により転職しやすくなり、売り手市場と呼ばれて...