「仕事がきつい。休みたい」
「でもやることあるし、上司から何か言われるかも…」
仕事をしていると、何度もこのように感じることがありますよね。
たしかに休むことはネガティブな印象があるかもしれませんが、実は仕事で成果を上げるための積極的なアクションなのです。
この記事では、仕事を休んだ方が良い理由と、休む時に気になる周囲の目、そして今すぐ休んだ方が良いケースについても紹介します。
読み終える頃には仕事を休むことの大切さがわかっていただけるでしょう。
Contents
仕事がきついと感じたら無理せず休もう
仕事がきついと感じたら、無理せず休むべきです。
また、つい休んでしまう「サボり癖」に悩んでいる方は注意が必要です。
それに最近では、休むことは戦略だという人も出てきているんです。
仕事がきついのは休めというサイン
キツイ、しんどい、疲れたといった気持ちになるのは「体を休めなさい」と脳が発するサインです。
東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身医学博士は以下のように言います。
疲労とは、医学的にいうと、『痛み』『発熱』と並んで、人間の生命を守るための警報アラームの一つと言えます。
研究では、脳幹の視床下部と、前帯状回と呼ばれる自律神経の中枢が疲れていたのがわかりました。
(中略)
自律神経で疲労が感じられると、疲労は、脳内で眼窩前頭野と呼ばれる場所に伝えられます。このとき脳内で、『自律神経の疲れ』から『体の疲れ』に転換が起きます。それが、いわゆる肉体的な疲労として認識されるのです。
感覚的にわかると思いますが、疲れを放っておくと体調不良や病気に繋がります。
「眠くなる」は、脳からのよりダイレクトな「休みなさい」というメッセージ。そして脳からの最後のSOSが「疲れた」だという。脳疲労は自律神経の乱れ。放っておくと、生活習慣病、糖尿病をはじめ、歯槽膿漏、胃炎・胃潰瘍、高血圧、脳卒中、がんなどにつながる可能性がある。
このように、医師が休めと言っているのです。
それなのに、会社内には「気合で乗り切る」などと精神論で片付ける人がいるのは理解できません。
そして最も恐ろしいのは、教育やメディア、周囲の人の影響を受け、「休むのは悪」というイメージを持ってしまったあなた自身です。
体がしんどいにもかかわらず「休んだらマズイかな…」と思うのは、しっかり影響を受けている証拠です。
「サボり癖」は意志の問題ではない
ある時体調不良で休んでから、なんとなくしんどいというだけで休みがちになってしまったという方がいらっしゃるかもしれません。
また無理せず休んでしまうとこのような「サボり癖」がつくかもしれないと恐れている方もいるでしょう。
実はあなたがサボり癖と思っているのは、意志の問題ではなく「症状」かもしれないのです。
うつ状態の人には、朝起きられない、無気力などの症状が見られるといいます。
つまり、朝起きたくても起きられなかったり、やる気が起こらずに仕事を休んでしまうのはうつ状態に陥っている可能性があるということです。
休むことは戦略?
休むことは悪どころではなく、逆にメリットです。
近年、「戦略的休息」を勧める休息コンサルタントなる人が現れました。
Googleのイメージが強くワークライフバランスがとれているイメージがあるかもしれないが、アメリカのシリコンバレーでは長時間労働が当たり前。
むしろ長時間労働が成功者の証のような風潮もあるほどなのですが、そこに休むことの重要性を説くのは、アレックス・スジョンーキム・パン氏です。
長年シリコンバレーでテクノロジー系のコンサルティングをしてきたが、自らのサバティカルをきっかけに「休息」のもたらす効果に関心がわいた。
(中略)
成功者の「休息」を分析して16年に『シリコンバレー式 よい休息』を出し、休息コンサル業「レストフル・カンパニー」を始めた。
このようなコンサルタントが登場するほど休息には生産性を高める効果があるということでしょう。
こういった人たちの活動によって、もっと休息と生産性の関係についてのデータが蓄積されることを期待するところです。
休んだら周囲の目が気になる?
さて、そうはいっても日本企業での実態としては、まだまだ休みにくい雰囲気が残っていますよね。
このパートでは、休みを取るときの目に見えない圧力について考えていきます。
有給休暇を取るために理由はいらない
仕事を休む時には基本的に有給休暇を取得します。
ですが有給を使いにくいという人が多いという声をよく耳にします。
ひとつは上司に理由を聞かれるからというのが理由でしょう。
ですが、有給取得に理由はいりません。
これは判例も出ており、ここでは詳しい解説は避けますが、ざっくり言えば
「休暇をどのように利用するかは労働者の自由」
ということが示されました。(林野庁白石営林署事件 昭和48年3月2日最高裁)
本気で部下を気にかけて聞くならともかく、上司が休む理由を聞くのは基本的に休むことをネガティブに捉えているからでしょう。
でも、ただ上司のプレッシャーによって休みにくいだけなら、そんなことは気にせず休みましょう。(もちろん、適量の仕事を与えているのに終わらせずに休みを取るのは理由を聞かれてもしょうがないと思いますが…)
また、2019年4月から10日以上有給を付与した場合、企業としては年間5日取得させることが義務付けられました。
これによって多少は休みやすくなるかもしれません。
ですがブラック企業ではこういった労働法の改正を知らなかったり無視したりします。
もちろん罰則規定もありますから、職場の状態があまりに酷い場合には、まず労組や人事部門など詳しい部署に相談してみると良いでしょう。
休む時は人の目ではなく「事実」だけを気にしよう
「職場の人の目が気になって休めない」という人もいますよね。
皆が忙しそうにしている時には、たとえ自分の仕事が終わっていても休みを取るのは難しく思うでしょう。
でもこういう時は気を付けてください。
休みを取りにくくしてるのは自分自身かもしれません。
あなたが休もうか悩んだ時、誰かに「休むな」とはっきり言われましたか?
休みにくいとあなたが思っているのではないですか?
人は、育ってきた環境や受けてきた教育、メディアの影響などによって、「こうあるべき」という枠組みを心の中に作ってしまうことがあります。
固定観念・ステレオタイプもその類です。
「皆が頑張ってる時には一緒に頑張るべき」という教育や、ドラマや漫画で休みをとったことで陰口を言われる主人公など、色々なところから受けた影響によって、自分で勝手に休みにくいと思っている可能性もあるのです。
ですからここはひとつ、論理的に事実だけを基にして休んで良いかどうか考えてみてください。
ポイントは事実だけ考える材料にするという点です。
例えば「Aという仕事が終わった」は事実です。
一方「休みをとる相談をしたときBさんが不機嫌そうだった」はあなたの主観であり、事実ではありません。
Bさんはあなたが休むことか理由で不機嫌な態度をとったのではなく、別の理由で元々不機嫌だったのかもしれません。
このように、人によって意見が分かれることは無視。誰が見ても同じことだけを根拠として考えればあれこれ思い悩むこともありません。
とにかく仕事を休むべきケース
「忙しくて休めない」「周りの目が気になる」などと言ってないで、すぐに医師の診断を受けなければならないことがあります。
それは、うつ病の症状が出ている場合です。
うつ病の症状とは?
うつという状態は一般的で皆さん知っていると思います。
でも、自分がうつ状態であるかどうかは意識していない人が多く、症状が重くなるまで放置してしまうケースを見かけます。
実は初期のうつ症状は「えっ?これもうつ症状なの?」というくらい、知識がなければ気づかないものなんです。
厚生労働省が運営するメンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」によると下記のような状態がうつ病の前兆だといいます。
- 楽しみや喜びを感じない
- 何か良いことが起きても気分が晴れない
- 趣味や好きなことが楽しめない
一見、よくあることに思えますよね。
でも、この状態が2週間以上続いたらうつ病の可能性大です。
ですが、上記3点だけでは分かりにくいのも事実。
そこで、自覚しやすい症状として「睡眠」注目するのが良いといわれています。
睡眠に注目する利点は、自覚しやすい点です。寝つきに30分以上かかる、途中で何度も目が覚める、朝やたら早く目が覚める、熟睡感がなくなる、などに気がついたら、まずは生活習慣を見直してエネルギーが底をつくのを防ぎましょう。(こころの耳)
まとめると、注意すべき状態は下記の通りです。
楽しい・嬉しい・気分が晴れない状態が2週間以上続く+眠れない
当てはまる場合にはとにかく休んで医師の診断を受けてください!
まだ頑張れると思う人は要注意!
私の後輩の話ですが、久しぶりに会った帰り道何気なく、
「最近めっちゃ仕事の夢見るんですよー」なんてことを言いました。
もしかしてと思った私は、仕事は忙しいか聞きました。
すると今までと違う仕事が与えられて、しかも行き詰まっているとのこと。しかも仕事の効率が下がっていると。
他にもうつ症状の例を挙げていくと、いくつか当てはまる、ということでした。
「ヤバイかも」と思った私は、すぐに心療内科か社内の保健師か産業医に相談するよう勧めました。
このような事例で怖いと思ったのは、本人全く自覚がないどころか、「仕事の効率が下がっているからもっと頑張らなければならない」と自分で自分にプレッシャーをかけていたことです。
彼は真面目で評価されています。
ですが、それ故にうつ病のリスクが高まるのです。
「しんどいけどまだやれる」と思うことで何とか乗り切ろうとしている方、注意してください。
仕事が原因でうつ病になることの恐ろしさ
「うつ病になったらその時休めばいい」
そう思って頑張り続ける方も多いでしょう。
しかし、休めば治るという考えはとても危険です。
なぜならうつは再発の可能性が高いからです。
厚生労働省が運営するメンタルヘルス情報サイト「こころの耳」によれば、うつの再発率は60%。
つまり、うつ病になった人の2人に1人以上は再発するということです。
では、うつ病になった時のことを想像してください。
再発を繰り返すと有給を失います。そして欠勤が増えれば休職となるでしょう。最終的に休職期間満了となれば、大企業だって退職となります。最後の最後には会社は面倒みてくれません。
そこまでの状態にならないとしても、理解のない上司からは「あいつは休むから」と重要な仕事を与えられなくなり、職場に居場所を失うかもしれません。
それに転職しようとしても、休職期間がある場合、採用担当はうつが再発する可能性があることを知っていますから採用可否の大きな懸念となるでしょう。
このように、一度メンタル不調に陥ると、その後の職業人生に大きな影響があるためうつ病を舐めてはいけません。
症状が軽いうちに、医師の診断を受けること。
そして会社の配慮がないのなら、転職活動を始めましょう。詳しくは次のパートで。
休みたくても休めない場合には
周囲の視線を気にしなくても、仕事量が多くて休めないという方もいるのではないでしょうか。
優秀で責任感のある方ほど仕事が与えられ、キャパオーバーになってしまいます。
それは自分の責任だけではありません。
うまく仕事の割り振りを考えるマネージャーに大いに責任があるはずです。
自分の力ではどうにもならないという時は、既に書いたようにメンタル不調になる前に転職活動をしてリスクヘッジしましょう。
現職に留まること以外の選択肢があること自体、安心材料にもなりますので。
ちなみに今、日本では労働人口減少により企業は人材不足に陥っています。つまり企業の採用意欲も高く、転職のチャンスが到来しているということです。
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ただし、ライバルが多いことも事実。
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