仕事がきつい

仕事がキャパオーバーしている新人のための明日からできる対処法と予防策

仕事がキャパオーバーしていて辛い…。でも新入社員なのでどうにもできません。どうしたらいいですか?

実は、新入社員にはキャパオーバーしやすい理由があるんです。

ですからあなた自身の能力が低いわけではなく、ある程度仕方ない部分もあるのです。

ただしずっとキャパオーバーしていては辛いですし、リスクもありますから何らかの対処が必要です。

そこでこの記事では、キャリア10年以上の現役人事が、業務量が多すぎてキャパオーバーしている新入社員のための対処法や予防策をお伝えします。

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新人がキャパオーバーしてしまう理由

仕事がキャパオーバーしてしまう理由はあげたらキリがないのですが、ここでは特に新人ありがちな理由を紹介します。

当てはまる方は既にキャパオーバーしているか、キャパオーバーしやすい予備軍となっている可能性があります。

  • 仕事を振れる相手がいない
  • 手の抜きどころがわからない
  • 放置されている・教えてもらえない
  • 作業系の仕事が多い
  • 先のことを予想しにくい

仕事を振れる相手がいない

新入社員は組織の中でも末端のポジションですし、後輩もいないので自分の代わりに仕事をやってもらえる相手がいません。

基本的に上司から受けた仕事を全て自分でこなす必要があるので、部下の仕事量を気にしない上司だったらキャパオーバーしやすくなるでしょう。

手の抜きどころがわからない

新入社員はほとんどの仕事に初めて取り組むので、どこに力を入れれば良いか、逆に力を抜けば良いかわからず全ての工程で時間を目一杯使ってしまいがちです。

それは仕方ないことですが、そうするとどうしても労働時間が長くなってしまいキャパオーバーする可能性が高くなるのです。

放置されている・教えてもらえない

上司や先輩によりますが、もしあなたが放置されていたり、まともに仕事を教えてもらえていないとしたら上司・先輩よりも余計に時間がかかるでしょう。

そこを気にせずガンガン仕事を振られてしまえば、当然労働時間は長くなりますよね。

上司や先輩に悪気はないとしても、忙しすぎて仕事を教えたり引き継ぐ時間がなく新入社員がキャパオーバーになるケースは少なくありません。

作業系の仕事が多い

新入社員は経験や知識が浅いので、初めのうちはどちらかというと上司や先輩の手足となり作業をすることが多いです。

そうして仕事の流れや知識を覚えていくわけですが、作業系の仕事はその量によって時間がかかってしまいます。

もちろん効率化できれば良いですが、新入社員には時間も知識もなく指示されるがままに作業してしまうこともあり、キャパオーバーしてしまいます。

先のことを予想しにくい

仕事には年間のルーティン、つまりいつ頃どんな仕事が降ってくるのかがある程度決まっていて、経験年数が増えるにつれて「そろそろあの仕事の時期だから準備しておこう」と忙しさに備えることができるようになります。

ですが、新入社員は年間でどんな仕事が降ってくるのか教えてもらわない限り知ることができませんので、いつ頃忙しくなるか予想しにくいんですよね。

そうするとどのくらいの力で仕事をしたら良いかわかりませんし、与えられた仕事の期限まで余裕があると思って油断してたら突然大きな仕事が降ってきた、なんてことになってキャパオーバーしてしまいます。

仕事がキャパオーバーした新人がやるべきこと【対処法】

今現在仕事がキャパオーバーしている、あるいはもうすぐキャパオーバー!という新入社員がやるべきことは大きく2つです。

キャパオーバーの状態から逃れるためには、仕事を捌く能力を高めるか、仕事を減らすしかありません。

つまりキャパ(容量)を広げるか、容量いっぱいになっている仕事を減らすかのどちらかをしなければなりません。

ですが、短期間でキャパを広げるのは不可能なので、ここでは仕事を減らす手順をお伝えします。

優先順位を付ける

まずは、今抱えている仕事をリストアップして、自分なりにどの仕事から手をつけていくべきか考えてみてください。

優先順位付けの基本は「重要度」と「緊急度」の掛け合わせですね。

ただ、キャパオーバーしている状態というのは、どの仕事が重要なのか緊急なのか分からなくなっている状態であることが多いです。

そのためここでは感覚的に順位付けをすればOKです。

感覚的にでも自分で優先順位を考えておく理由は、次のステップで上司や先輩に相談する時に何も持っていかないと一から考えさせることになるからです。

そして、上司や先輩から正しい優先順位を教えてもらう時に自分の感覚との違いが明らかにすることで考え方が頭に残りやすくなるからです。

上司や先輩に相談する

次に優先順位を付けるための相談をします。

ステップ①で考えた優先順位を見せて、どれから手をつけていくか指示をもらいましょう。

その中で、優先順位の低い仕事が明らかになっていきます。

ここで、現在キャパオーバーしていることを伝えてください。

さらに残業時間の実態を伝えましょう。

この時仕事がリストアップされているので仕事量は明らかになっていますし、優先順位もついていて、さらに残業時間もわかっているので、上司としては、優先順位の低い仕事の期日を延期したり、誰かに振ったりする判断がしやすくなっているはずです。

つまり、優先順位付けの相談をする中で仕事を減らしてもらうための相談をするという作戦なんです。

そして、ここで上司や先輩に相談したことは必ず記録しておきましょう。

もし上司が話を聞き入れてくれず長時間労働が続く場合、最悪の場合には労働基準監督署に相談すべきなのですが、その際の根拠のひとつなります。

あきらめる

上司や先輩に相談しても解決しない場合には、優先順位の低い仕事からあきらめていきましょう。

上司や先輩から「優先順位が低くてもやれ」と言われていたとしても、優先順位が低いことは分かっているのでやらなくても大きな影響はないはずです。

影響があるとしたらそれは完全にマネジメントできていないということなので、あなたに責任はありません。

体調変化に注意する

これはキャパオーバーした時の対処法ではありませんが、自分を守るためにやってほしいことです。

長期間キャパオーバーし続けると次のパートでお伝えするようなリスクが高まります。

その一つに体メンタル不調があるのですが、例えばうつ病になってしまうと判断力が鈍ってしまい、最悪の場合、自ら命を絶つような危険もあります。

たとえ休んで復職したとしても、うつは再発リスクが高いので休職と復職を繰り返すことになってしまいます。

さらに休職期間が長くなれば解雇されることもありますし、転職しようにも休職期間があると採用されにくくなってしまいます。

このような状態にならないためにも、少し体調が悪いと感じたら、ちょっとくらい大丈夫と自分で判断せず医師の診察を受けましょう。

仕事がキャパオーバーし続けると発生するリスク

キャパオーバーし続けると、会社にとってもあなた自身にとってもリスクがあります。

残業が増える

能力に対して仕事量が多すぎると時間によってカバーするしかないので、残業が増えますよね。

当たり前のことですが、長時間労働は人件費が高まること、そして法令違反のリスクも高まります。

このように、キャパオーバーは会社の仕事を回そうとして起きている状態ではありますが、結果的に会社のためにならないことがわかると思います。

ミスが増える

長時間労働によって疲労するとミスが増えますね。

ミスが発生すれば、関係先に迷惑がかかりますし、ミスをカバーする時間も必要です。

これも仕事をなんとか回そうとすることによって結果的にマイナスとなってしまう典型例です。

メンタル不調を引き起こす

長時間労働によってミスが発生し、ストレスが溜まっていけば最後はメンタル不調に陥る危険性が高まります。

こうなるとあなた自身にふりかかってくるリスクと言えます。

メンタル不調の何がマズいのかは既にお伝えした通りです。

キャパオーバーを放置するような職場は基本的にメンタル不調になってはじめて改善を試みるか、人を代えれば良いと思っています。

改善を試みたところで根本的な解決策が出てくることはほとんどないのですが…。

というわけで、キャパオーバーし続けると自分の人生を台無しにしてしまう可能性もあるので、異動願いや転職なども選択肢に入れて自分の身を守りましょう。

仕事がキャパオーバーしないために新人ができる予防方法

ここまででキャパオーバーが怖いことはわかっていただけたかと思います。

ですからできる限りキャパオーバーの状態を予防できたら良いですよね。

実際のところ、上司や先輩のマネジメント能力に左右されますが、新入社員にもできることはあります。

  • ToDoリストを作る
  • 求められていることを確認する
  • 報告を増やす

ToDoリストを作る

常に手元に置いておくべきなのはToDoリストです。

仕事の指示を受けたらすぐ、簡単で良いので箇条書きでやることをリストアップしておいてください。

これがあれば優先順位を付ける際に、「今どんな業務を抱えてたっけ…」と思い出す必要がなくなります。

それに、やることを書き出すだけで頭の中が整理されて、意外と大した業務量じゃないことがわかるかもしれません。

求められていることを確認する

キャパオーバーの原因は、求められている以上のことをしすぎているからかもしれません。

ですから仕事の指示を受けたら、まずは上司や先輩が求めている仕事の完成系のイメージを確認することをおすすめします。

難しければ過去に先輩が作った書類などの資料を探して、それをベースにしてイメージを共有するのが手っ取り早いでしょう。

新入社員が全く初めての仕事をするというケースは少ないと思いますので、過去の担当者が残したものはあるはずです。

報告を増やす

どうしても完成系のイメージが持ちにくいということであれば、とりあえず仕事を進めて、こまめに進捗状況を報告してみましょう。

いきなり100%を目指すのではなく、少しずつ上司や先輩のイメージに近づける方が、迷わないですし後からやり直しになることも防ぐことができます。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事でお伝えしたことを簡単にまとめると、次の通りです。

  • 新入社員にはキャパオーバーしやすい特有の理由がある
  • キャパオーバーが続くとメンタル不調に陥る危険がある
  • キャパオーバーの予防や対処法はまず自分の仕事を把握して優先順位をつけることから

繰り返しになりますが、仕事がキャパオーバーした状態を放置するのはあなた自身にとって危険です。

もし、何をしても状況が改善されないのであれば、転職など自ら職場を離れる選択肢を持つことも考えましょう。

体を壊してしまっては仕事をしたくてもできなくなってしまいます。

今いる職場が決して当たり前ではなく、新入社員がキャパオーバーしないよう上手にマネジメントできる職場もあるということを覚えておいてください。