私が今働いている人事部門は、入社時には全く希望していない部門でした。
そんな部門に配属された私は、そもそも人事の仕事に向いてないと決めつけていたので、当然面白さが分かるはずもありませんでした。
実のところ5年間もずっと異動したいと思っていましたし、転職を考えたこともありました。
でも結果として初任配属の部門で今まで働き続けていますし、配属されて本当に良かったと思っています。
では、どうして5年も面白いと感じたことのなかった仕事が面白いと思えるようになったのか。
この記事では、同じような境遇の方々に私自身の経験から学んだ仕事が面白くなる方法をお伝えしたいと思います。
Contents
転職活動したら仕事が面白くなった
私の仕事が面白くなったきっかけは転職活動です。
最初に言っておきますが、本気でやめようと思って転職活動しましたが、結果として会社を辞めて転職しませんでした。
当時の私の仕事への取り組み方は以下のような負のスパイラルに陥っていました。
仕事が面白くない → 興味がないから仕事を覚えられない → ミスをする → 怒られる → 面白くない
入社後に同期が皆登録しているというのでリクナビNEXTだけは登録していたのですが、4年目の夏、「3年頑張ったし、もういいか」と思いリクルートエージェントに登録しました。
リクルートエージェントは、3ヶ月以内に転職したいというガチ勢向けの転職支援サービスです。求人数も多いので初めて転職する方には向いています。
今振り返ると、ここでリクルートエージェントに登録したことが私の職業人生の転機だったと思います。
転職活動で見えた社外の景色
当時、転職したかったもう一つの理由として学生時代を過ごした北海道に帰りたい気持ちがありました。
でも北海道の年収水準は低いので現年収を維持しようと思うとマネージャー候補の求人に応募しなければなりませんでした。でもその当時4年目だったので当然自分の経験が活かせる求人なんてありません。
そのため担当してくれたエージェントさんからも、
と、諭されました。
結果、選考を受けることなく転職を諦めたのですが、その時紹介された求人について詳しく教えてもらったことで社外への興味が生まれました。
一方で、今の会社が給与面でも仕事面でも恵まれていることも知ることができました。
そして、今の恵まれた環境で努力して実力をつけ、いつか北海道に帰ろうと思ったのでした。
社外に目を向け、吸収しよう
それからというもの、仕事に打ち込むことになったのですが、同時に下記のことをするようになりました。
- 本を読む
- ポータブルスキルを身につける
- 転職を意識して経験を積む
本を読む
ただ仕事をしているだけで上司や先輩から教えてもらうだけでは成長は遅くなると考え、それまであまり読むことのなかった読書を始めることにしました。
自分の業務をイメージし、本の中に仕事で活かせそうな学びがあれば仕事で試すようにしました。
読書は仕事へのモチベーションを高めることに繋がりました。
なぜなら、試してみてうまくいけば成果になりますし、失敗してもうまくいかなかった原因を分析することで別の学びが得られるからです。
ポータブルスキルを身につける
仕事をする時に、他社でも活かせるスキル(ポータブルスキル)を身につけることを意識して仕事に取り組みました。
例えば私は中途採用の仕事をしていますが、どんな質問をしてどんな点を見れば優秀な人材を見抜けるのか。またどうすれば入社したいと思ってもらえるのかを常に考えて取り組みました。
このようなスキルは他社で中途採用をする場合にも活かすことができます。
転職を意識して経験を積む
転職活動をする前の私は、やったことのない仕事や難しそうな仕事に対しては消極的でできるだけ関わりたくありませんでした。
しかし、転職活動によって社外に目を向けるようになってからは、チャンスと思い積極的に関わることになりました。
なぜなら、誰もやったことのない仕事や難しい仕事を経験することでいざ転職しようとした時、アピールに繋がると考えたからです。
つまり、職務経歴書に書けるような経験ができるのならチャレンジしていこうというわけです。
これも、転職活動を意識したことで仕事に打ち込むモチベーションが高まった良い事例です。
転職を考えていない人のための転職活動のススメ
私の場合、上記のように転職活動がきっかけで仕事のへの取り組み方が変化した結果、仕事が面白くなりました。
でも実を言うと、転職活動そのものにもメリットがあります。
そのメリットとは、一言で言えば「会社を辞める選択肢」を手に入れることです。
いいか。以前私が会ったとある若者の話をしよう。彼も、君と同じように仕事にやりがいを見失っていた。だが、何も行動に移せなかった。なぜなら、その職場以外に居場所がないと思っていたからだよ。追い詰められた彼は、とうとうある日、スーツの胸ポケットに辞表を忍ばせた。もちろん、上司に出すつもりでだ。ただ、結果的に彼は辞表を出さなかった」 「なぜですか?」 「その日はじめて彼は言えたんだよ。理不尽な上司に、ノーとな。『会社を辞める』という選択肢を手にしたからだ。私が転職の思考法を勧めるのも同じ理由だ。転職の思考法を手にしたからといって、必ずしも、今の会社を辞めなくてもいい。個人の人生だ。正解はない。ただ、『 辞められない』 という思い込みの檻の中に閉じ込められたら、どんな人間も必ず自分に小さな嘘をつくことになる。
引用元:転職の思考法(北野唯我)
上記は2018年にベストセラーとなった「転職の思考法(北野唯我著)」の一節ですが、現職以外の選択肢を手にすることで、仕事にやりがいを見出すことも、自分の気持ちに嘘をついてやりたくないことをやる必要もなくなるというわけです。
転職活動のメリット
私がオススメする転職活動は、現職を辞めることを前提とせずに選考を受けることです。
内定をもらったとしても、当然条件に合わなければ辞退もあり得ます。
転職活動のメリットは次の通りです。
- 自分の市場価値を知ることができる
- 社外の情報を収集できる
- 転職活動のノウハウを蓄積できる
それぞれ詳しく説明していきます。
自分の市場価値を知ることができる
市場価値とは、今あなたが転職活動をしたとして、どれくらいの企業がどれくらいの年収であなたを採用するのかということです。
転職活動をすると、求人の数、書類選考の合否、面接官からのコメントなどから自分の市場価値を知ることができます。
社外の情報を収集できる
応募する時には応募先のことを調べますし、選考を受けるなら面接で直接求人について聞くことができます。
そして面接に合格した場合、労働条件説明がありますので、より詳しい業務や組織の実態、さらには自分の処遇を具体的に知ることも可能です。
転職活動のノウハウを蓄積できる
転職活動をするのですから、当然転職活動のノウハウを得られます。
転職エージェントを利用した感想、応募書類作成方法、面接で聞かれたこと・答え方など一通りの流れを経験するわけですから、具体的事例として蓄積できます。
たとえ失敗した経験であっても、「○○はしない方が良い」「○○はする必要がなかった」といった立派なノウハウですから次に活かすこともできます。
転職せざるを得なくなってからでは焦って判断を誤りがちですから、失敗できる時に失敗しておくことをオススメします。
いつでも転職できる状態を作り、人生の選択肢を増やす
このように、いつでも転職できる状態を作ることは、現職で頑張ること以外の選択肢を作ることです。
現職以外の選択肢がないと、仕事で追い詰められた時に行き先がなくなりメンタル不調に陥る可能性もあります。
メンタル不調は再発する可能性が高く、例えばうつ病は約6割が再発すると言われています。(参考:https://medicalnote.jp/contents/180327-007-OR)
一度治っては再発を繰り返すということは人事の間ではよく知られた話ですから、新天地を求めて転職活動をしても「うつ病経験あり」というだけで不合格になることも多く、転職の難易度が高くなってしまいます。
つまり、たった一度のメンタル不調で今後の人生を狂わせる可能性があるわけです。
そのため健康なうちに転職活動をしておくことは、働く人にとって最高の自己防衛策でもあるのです。
転職活動にデメリットはない
転職活動には上記のメリットはありますが、デメリットはありません。
なぜなら転職エージェントの利用も求人サイトへの登録も無料ですし、選考を受けに行く交通費はかかりますが多くの企業では交通費は支給されます。
強いて言えば「時間を使うこと」が挙げられますが、そこで得られるメリットが大きいことは既に説明した通りです。
このように、転職活動ほどデメリットがなくて人生のリスクヘッジができる手段は他にありません。
転職を考えてない人の転職活動の手順
今転職を考えていないという方は、転職活動って何から始めれば良いか分からないという方が多いのではないでしょうか?
確かに転職未経験の方はハードルが高く感じると思いますが、転職活動を始めるのは簡単です。
今では様々なサービスがありますので、うまく活用しながら進めていきましょう。
手順は下記の通りです。
- 自分の市場価値を測る
- 信頼できる転職エージェントを見つける
- 職務経歴書を書いてみる
- 良い条件の求人があれば応募してみる
- 面接を受けてみる
実際に選考を受けるのはちょっと…という方も、①と②だけでもやっておくだけで安心感が得られます。
それでは以下、詳しく説明していきます。
①自分の市場価値を測る
まずは自分の市場価値を測ってみましょう。
本当の市場価値は実際に選考を受けてみないと分かりませんが、まずは現在地を確認するために、現時点であなたがどれくらいの企業から、どれくらいの年収で求められるのか知っておきましょう。
現在地が分からなければ、これからどの方向にどれくらい歩けば良いか分かりませんからね。
市場価値を測るには、ミイダスというサービスを利用するのが効率的です。
簡単に説明すると、画面に従って経歴やスキルを入力していくと、最後に「選考条件に合致した企業数」と「類似オファーユーザー年収実績」が出てきます。つまり、どれくらいの企業がいくらぐらいの年収で自分を求めているか分かるということです。また、生まれ持った個性を診断できるパーソナリティ診断もリリースされました。
②信頼できる転職エージェントを見つける
転職活動の成否は転職エージェントによって大きく左右されます。
なぜなら転職活動は、求められるスキルや経験と自分が持つスキルや経験が合っていること、つまりマッチングが重要だからです。
そもそもエージェントから紹介される求人が自分にマッチしていなければ採用される可能性はほぼありませんし、エージェントから提供される求人の情報が不十分だと企業が求めるポイントが分からず有効なアピールができません。
残念ながら転職エージェントも人間ですから知識や経験に差がありますし、仕事のスタンスも違います。
そのため求人の詳細や応募者の持つ経験やスキルを理解できなかったり、一人一人に向き合うことなく何となくマッチしそうな求人を闇雲に紹介したりするエージェントもいます。
ですから、いざ転職しなければならない状況となった時、あなたにとって信頼できるエージェントを見つけておくことが重要となってくるのです。
ただ問題なのは、信頼できるエージェントを見つけるのが難しいということ。
応募者ができることは基本的に転職エージェントに登録して、良い担当者がつくのを祈るのみです。
転職エージェントは多種多様ですが、大手で有名なところが良いとは限りません。
ですから転職エージェントには複数登録して、信頼できる担当者に出会える確率を上げるようにしましょう。
③職務経歴書を書いてみる
ミイダスで自分の経歴がどのような業界や職種として求められているか分かったら、職務経歴書を書いてみましょう。
ミイダスで診断を受けてから書く理由は、あなたの職務経歴を全て書くと膨大な量になってしまう可能性があるため、大体の方向性を見定めるためです。
そして困った時は転職エージェントに相談すれば添削してもらうこともできます。
また、実際に応募する際には必ず転職エージェントに相談しましょう。
なぜなら、応募する求人によって求められるスキルや経験が異なるため、合わせて書く必要があるからです。
そのためにエージェントから求人で求められていることは何かを聞き出し、職務経歴書から不要な情報は削除して、必要な情報は強調して書く、といった具合にカスタマイズしましょう。
④良い条件の求人があれば応募してみる
①〜③までトライするだけで、転職の準備は整いつつあります。
ですが、もっと万全を期したいという方や本気で転職しようと思った方は、良い求人があれば実際に応募してみましょう。
③でお伝えした通り、まずは職務経歴書のカスタマイズのために転職エージェントから良さそうだと思った求人の詳細情報を入手してください。
正しく情報が入手できて、アピールすべきポイントが分かっていればおそらく書類選考は通過するはずです。
あとは面接でも確実にアピールできるように練習を怠らないようにしましょう。話すべきことは分かっていても、緊張するとどのように伝えれば良いか分からなくなります。転職エージェントに頼めば、ほとんどの場合面接対策も手伝ってくれますよ。
⑤面接を受けてみる
書類選考が通過したら、いよいよ面接です。
面接を受けるメリットは、面接慣れするだけではありません。
企業の人事担当者や募集部門の面接官(部門長の可能性が高い)から生の情報を得ることができます。
以下5点については必ず質問して聞いてみましょう。
- 業務内容の詳細
- 中途採用を実施している背景
- どのような経歴やスキル、性格の人が活躍しているか
- この面接で評価いただいた点
- 改善点や不足している点
そうすれば、面接に合格しても不合格でも有意義な機会となるはずです。
以上、転職活動の手順を紹介しましたが、思っていたよりもシンプルだったのではないでしょうか。
ただし最後に言っておきたいのは、私はイタズラに転職を煽りたいわけではありません。
一つの会社でやりがいを見つけて頑張るのも素晴らしいことだと思います。
ですからこの記事で紹介した転職活動にトライしてみて、今の仕事が面白いと思えたら嬉しい限りです。
燻っているなら行動してみること。これに限ります。
ツイッターでご質問・ご感想をお待ちしていますので、何かあればハルダ(@haru_dadd)まで。